強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

シルバーのペアリングは今も准一さんの左の薬指で光っていた。

それを見るたびにちょっとだけ恥ずかしくなるのは、未だに准一さんと付き合ってることが夢なのかもしれない、と信じられない気持ちでいるからなのかもしれない。

私も私でペアリングは学校にいる時ネックレスとして制服の下に忍ばせているのはここだけの秘密。



「早いね。マキももう18歳だ」

「18歳かー…」


来年の春には高校を卒業して、大学生になる。

大学をやめて専門学校に行こうか、と沢山悩んだ。

けど准一さんがやっぱり大学に進学した方が道が広がるから、と説得されて私は大学に行くことにした。

成績的がちょっと危ういかと思いきや、自分が思っているよりも頑張っている方だったので来月には推薦がもらえるようだ。

頑張ってよかった!


「で?欲しいものないの?」

「そんなこと言われても……」


正直、欲しいものなどない。

寧ろそれくらい満足した生活を送れているからかもしれない。

好きな人が隣にいて、将来の自分が少しだけ見えて、それだけで十分満足しているんだ。
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