強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「で?どうしたって?」
お昼休み、早速私の前の席に座って背凭れをまたぎながらこちらの机に頬杖をつく。
これも変わってない。
パンツが見えそでいつもヒヤヒヤしているのは私だけじゃないはずだ。
噂のゆきのの彼氏、とか。
「うん、ほら来週って私の誕生日じゃない…?」
「そうだね!今年も楽しみにしててー」
准一さんに負けず劣らず、サプライズ大好きなゆきのはまるで張り合うかのように毎年素敵なプレゼントをくれる。
気持ちだけで嬉しいと言ってるのだが、引かない。
「ありがとう。で…、准一さんから欲しいものは無いかって聞かれて」
「そんなの!欲しいもの言えばいいじゃん!」
「私、今の人生全てに満足してるから欲しいものなんて…ない」
そう言うと、ゆきのはポカーンと口を開けたまま固まる。
変なことでも言ったかな?
「それはなんともまぁ…羨ましいことで」
「ゆきだって満足してるんじゃないの?」
ほら、と私は机の上で震えるモノを指差した。
ゆきのの携帯の着信には1年生の時から付き合っている彼の名前が表示されている。