強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「まぁそうなんだけど!ちょっとごめん」
ははっと笑いながら携帯を手に取ると嬉しそうに顔を綻ばせて電話に出た。
ゆきのの彼氏こと西野君は2年からクラスが離れてしまった。
だが、ゆきののことを一途に愛し続ける西野君は3年になった今でも変わらず時々教室に遊びに来る。
最近は進路のこととかで忙しくてあまり来なくなってしまったが…
時々ゆきのが寂しそうな顔をしているのが見受けられた。
電話が終わったのか、ゆきのは携帯を耳から離してふぅーっと短く溜め息を吐く。
「西野君、なんかあったの?」
「うん。進路のことで色々あるっぽいから今日も帰れないって」
「なら私と一緒に帰ろう?」
「そうする!で、話し戻すけど、私イイコト考えた!」
「いいこと?」
するとゆきのはニヤリと怪しい笑みを浮かべると机に身を乗り出した。
そして私の耳元まで顔を近づけると、そっと喋る。
「マキと理事長、結婚しちゃえばいいんだよ」