強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「でも学生結婚してずっと一緒にいるっていう手もあるよ?」
「そうかもしれないけどー……」
結婚は、ちょっとまだ早いような気がする。
准一さんだってそんなことを望んでいるようには思えない。
「一つの考えってこと!それか旅行に連れてってもらうとか。マキだってもう進路決まってるでしょ?」
「う、うん」
進路は決まっているから大丈夫かもしれないけど、旅行となれば問題があるのは准一さんの仕事の方だ。
この時期、理事長職というのは3年生の進路管理をまとめたり、と忙しそうだし仕事の邪魔になりそうな事を言い出せるはずがない。
ゆきのも進路先は事務系の専門学校に決まっているからこうやって私と優雅に過ごせているのだが。
「理事長と過ごせなくなったら私が過ごしてあげるから!」
「ありがとう」
「任せて。理事長に負けないくらい盛大に18歳をお祝いしてあげる」
ゆきのはそう言って自分の胸を叩くのだった。