強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

放課後、ゆきのが先生に呼び出されて私は先に昇降口に向かう。

ちらほらと下校する生徒達の靴を履き替える姿を私は眺めていた。

靴箱によしかかったまましゃがみこんでいる私を同じ学年の生徒達が振り返って見るものだからいい気はしない。

たまに職員用の靴箱を見たりして、准一さんが来ないかな…なんて考えてしまうことも度々。

いかんいかん、学校の中だっていうのに。

私は首を振って、再び玄関の扉を眺めていると、ふいに肩を叩かれた。



「あ…凪君」

「やっぱりマキだった。見たことある後姿だと思ったんだよねー」


やっほー、と手をあげる凪君。

久しぶりに会った彼は笑いながら私の横にしゃがみこんだ。


「マキとゆきのクラス離れてからあんまり会わないね。元気?」

「うん、元気だよ。凪君も進路決まったの?」

「あれ?ゆきのか康史から聞いてない?俺ね、美容系の専門学校に行くの」


おかしいな、と首を傾げて笑う凪君に私は苦笑いを零した。
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