強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
家に帰って准一さんのいない静かなリビングへ。
掃除がてらにオーディオの電源をつけて、お気に入りの曲を流した。
テレビの横にある戸棚に乗った写真の数々。
季節が変わるごとにお互いの恋心が成長していった証。
准一さんに肩を抱かれて微笑んでいる自分の姿が恥ずかしい。
ほとんどの季節の休みを一緒に過ごし、いろんなところへ行った。
「旅行もそれなりに連れてってもらってるからなぁー…」
ポツリと呟く。
満足してるからこれ以上何も望まない。
欲しいものは無い、そう言えばいいんだ。
私はそう決めて、再び雑巾を持った手を動かした。
軽く掃除を終えて何時間か経過した後。
玄関の開く音がして、慌しくもスリッパを履いた足で駆けつける。
「おかえりなさい!」
「ただいま」
玄関にひょっこり顔を覗かせると、准一さんが口元に弧を描く。
いつ見ても本当にカッコイイ。
何年も一緒にいたら慣れて刺激がなくなるという話をよく聞くが私はむしろその反対。
准一さんといるといつも新しいことばかりで寧ろ刺激的。
だからいままで倦怠期なるものがなかったのだろう。