強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

「ん、いい匂いがする」


靴を脱いで真っ先に私を抱きしめる。

そして頭に顔を埋めてすっと匂いを嗅ぐ。


「今日はね、肉じゃがなの。好きだったよね?」

「それは楽しみだ」


クスリと笑って着替えてくる、と部屋に入っていった。

気づけばいつも新婚チックな私達。

最初の頃は戸惑いのが大きかったが、慣れって怖い。



「え、長期…出張?」

「そう。さっき他の学園の理事から連絡があって。嫌でも強制参加」


頭を抱えて淹れたてのコーヒーに口付ける准一さん。

ご飯を食べながらお互いに今日あった一日の出来事を話す。

これも暮らし始めた頃からの習慣の一つ。

些細なことでも話すことが大事、と准一さんに言われたからだ。


それにしても長期出張なんて…もしかして1ヶ月以上とか?

自分でも顔が曇ったのがわかった。

マキ、と名前を呼ばれて恐る恐る顔を上げる。



「長期って行っても1週間だから。マキの誕生日には必ず帰ってくるよ」

「そうなんだ…」


1週間だけかぁ…それなら大丈夫。

ホッと安堵の溜め息を零すと、准一さんは顔を綻ばせた。
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