強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「今のマキの顔。めっちゃ深刻そうだった」
「そんなことないもん!」
「いやいや。愛されてるんだなーって…」
ムキになって言い返した私に大人な彼は急に真顔になって私を愛しそうに見つめる。
そんな瞳で見つめられたらどこを見ていいのかわからなくなる。
「毎日電話するから。ね?」
「うん……」
付き合い始めてから自分がこんなに寂しがり屋な女だったということに気づかされた。
准一さんはいつも、私のワガママなら大歓迎と抱きしめてくれるけど、やっぱり甘えてばかりじゃダメなんだよね。
「さーて、ご飯も食べたし。…時間は、と」
准一さんが壁掛け時計を見て、私もそちらに視線を向ける。
時刻はまだ9時過ぎ。
これからお風呂に入ってお互いに色々と自分のことをやって、眠るのは11時過ぎ。
付き合い始めてからというもの、一緒に寝ることが多くなった。
それもほとんどが准一さんの部屋で、准一さんの帰りが遅い日は自分の部屋で寝るようにしている。
「マキ、あとで俺の部屋ね」
「……っ!」
フッと微笑んだ准一さん。
それはきっと、アレのお誘い。
その意味を知っている私は、顔を真っ赤にさせながら「馬鹿…」とポツリと呟いて足早に食器を片付け始めるのだった。