強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
寂しさを埋めるように准一さんの胸元に顔を埋めて眠ったその日。
起きた時には、もう准一さんの姿は隣になかった。
もう行ってしまったのか…と思ってもう1度ベッドに顔を埋める。
もう学校へ行く時間など気にしてはいなかった。
今はただ、この主のいない部屋で昨日の余韻に浸っていたかっただけなのかもしれない。
私は微かに准一さんの匂いの残る布団を抱きしめ枕に顔を押し付けた。
安心する…
再び眠りにつこうと目を閉じた時、遠くから聞き慣れた電子音が聞こえてきて重い体を起こした。
電子音の鳴る方向へと向かい、自分の部屋の机に乗った携帯を手に取る。
私の手の中で震えるそれ、誰の着信かなんて確認しなくともわかっていた。
「…はい」
『マキ?!もう2時間目終わるけど、どうしたの?具合悪いの?』
「ああ…もうそんな時間かぁ。ごめん、今日は遅刻していくね」
どうも腰の辺りが痛い。
早口で話す電話の相手であるゆきのにそう告げて、私は電話を切った。