強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
初めての遅刻から早いことに6日が過ぎた。
誰もいない家にただいま、と告げてテレビから流れてくる音だけが騒がしい。
そんな中、唯一の楽しみといえば、毎晩決まって掛かってくる准一さんの電話。
私は自分の部屋では眠らず、准一さんがいない間、ずっとそっちの部屋で過ごしていた。
ベッドに横になりながら、真っ暗の部屋の中携帯の明りだけが眩しい。
准一さんの声を聞くと安心する反面、ここにいないんだ…という寂しい気持ちが胸の中を渦巻く。
『マキ、大丈夫?』
「うん、大丈夫だよ?だって准一さん、明日の夜には帰ってきてくれるんでしょう?」
『絶対に帰るよ。一緒にお祝いしようね』
「…うんっ」
『マキ、HAPPY BIRTHDAY…』
気づいた時には、12時を回っていて電話越しで言われたハッピーバースデーに涙が溢れた。
やっぱり好きな人に一番最初に祝ってもらえるだけ幸せなんだ。
「ありがとう、准一さん」
それだけ話して私達は電話を終わらせた。