強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

いままでぐだぐだ考えていた自分が馬鹿みたいに思えてきて荷物準備をすることにした。

それでもその日の夜中は眠ることが出来ず

頭に浮かぶのは“同居”という二文字だけだった。





「荷物は大丈夫ね?」

「…うん」

「家具は後から送るようにしてるから」

「…うん」


重たい瞼を擦り数回欠伸を漏らす。

結局考えすぎて眠ることの出来なかった昨日。

いろんなことがありすぎてどっと疲れた。


幸い今日は土曜日で休日。

もう一日明日も休みだから、今日こそゆっくり寝るつもり。

自分の住むところになる場所でゆっくりと。


しっかりしなさいよ~と背中を叩かれ眠気が覚めたころ……

ちょうどよく、家のインターホンから音が流れた。

東郷さんが家に来たんだ……!


色々な感情が交じり合う私の心臓はバクンバクンとうるさいくらいに跳ねる。

落ち着け!今からこんなんでどうするんだ!


「はいは~い!あら、准一君いらっしゃーい!」


インターホンの画面に向かって話し掛けるママはとても嬉しそう。

声がいつもより1オクターブぐらい違う…

すぐ開けるわね、と言って受話器の隣にあるオートロック解除のボタンを押した。
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