強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
内心いつものことに呆れながらも「はいはい」と適当な返事をしておいた。
学園前に着いて電車を降りるとそこはもう桜の並木道。
正門までの道のりがずーっと桜の木でいっぱいになっていてあたり一面がいつか見たピンクの絨毯。
私たちはルンルンと足取りも軽やかだ。
「カッコイイ人いるといいね」
「私は別にかっこよくなくてもいいんだ。優しければ!」
「えー?マキってそういうタイプなんだ…」
新たに分かった事実…みたいな顔をされて私はムッと唇を尖らせた。
ゆきのだってイケメン…顔重視じゃないか。
中身はどうした、中身は。
正門までくればもうそこは王冠の生徒でいっぱいになっていて自分が本当にこの学園の生徒になれたんだ…と期待で胸いっぱいになった。
楽しみだなぁ……
同じ新入生の波に乗り玄関近くにくると今度はクラス別けの発表。
貼り出された紙に自分の名前を探す。
流石に生徒数が半端なく多いためサ行を辿り必死に探した。
「「あった!」」
私とゆきのが同時に指差した方向には同じクラスに名前を連ねる張り紙。