強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「ああ、そういうこと心配してんの?別になんともない。あそこは親父が管理してるに過ぎない。バレなきゃ世間的には問題はない。あと……さっきから思ってたんだけど、その呼び方」
「え…?」
呼び方?
「“東郷さん”ってやめない?」
綺麗な瞳が真っ直ぐに私を捕らえた。
「あ……はい。ごめんなさい。なんてお呼びすれば…」
「ん、普通に准一で良い。俺もマキって呼ぶし?あとその敬語もダメね。仮にも家族なるんだ」
「は…はぁ」
いろんなことを一気に言われて曖昧な返事しか出てこない。
それでも…
東郷さん…准一さんは私のことを考えててくれてるんだなぁと少しだけ嬉しくなった。
最初、お母さんと修哉さんがあんなこと言い出したときは物凄く嫌そうな顔をしていたのが印象的。
それでも今はそんな素振りさえも見せない。
私だったらどうしていただろう…
これが子供と大人の一つの差なのかな?
「あの…よろしくお願いします」
「いーえ。そんな畏まんな」
ぺこり、と頭を下げる私に長く細い少しだけ筋肉質な腕が私の方に伸びてきて、くしゃりと頭を撫でた。