強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

顔を上げると、優しそうな表情にドキッと胸が高鳴る。

……格好良過ぎる。


「マキ、部屋案内するからおいで」

「あ、はいっ!」


立ち上がった准一さんがピタリと止まる。

そして私の方へと体を向き直らせた。


「ハイ、じゃなくて、うん…だろ?」


ちょんっと唇に押し当てられた長い人差し指。


……じゅ、准一さんの指が私の唇を押してる?!!

胸が高鳴り思わず卒倒してしまいそうになったのは言うまでもない。



「ここが風呂、トイレ。そこの扉が物置代わり」

「うんうん…」


マンションにしては広すぎる家の中を案内され目を丸くしてしまう設備でいっぱい。


トイレの蓋が自動で開いた!

お風呂も大人3人は余裕で入れる大きさ!



「そんで―……ここがマキの部屋」


キキィと音を立てて開かれたドアに胸を弾ませ中を見た。

机に大きなベッド、そして壁掛けテレビ。

壁の一面はクロゼットになっていた。


「ベッドの布団と机は使いやすいように…って親父が新しく変えたはず。ここにあるの全部親父が残してったものだからマキが使ってやって」

「は…う、うん!」


危うく敬語が出てしまうところだった。
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