強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「一切出来ないってわけじゃなくて…ちょっとだけです。人並みに…?」
「そうか。嫌、俺は一応親父があんなのだから作れるには作れる。だから心配はしなくていい」
「うん………」
ポンポンと撫でられた頭にしょぼんと落ち込む。
こんなことならもっと料理の勉強しておけば良かった。
そしたら困らない事だって沢山あったのに。
やっぱり子供なんだな、と自覚させられる。
「マキは部屋の片付けしておいで。荷物はもう届いてたはずだろう?」
部屋に置かれたダンボールの話だ。
「うん!ちょっと片付けしてくる」
慣れないタメ語に動揺しながらもなんとかその場を乗り切ろうと部屋へと急いだ。
そんな私を後ろ姿を…
寂しそうな瞳で見つめている准一さんなんて知らずに───……
***
「終わったーーー!!!」
一通り部屋の片付けが終わり私は立ち上がって部屋を見渡した。
あまり物を持ってこないで来たものだからけっこう広々としている。