強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
机の上に乗った置時計を見ると、もう6時半。
そろそろご飯の時間だよなぁ……。
私は部屋を出て隣の准一さんの部屋のドアをノックした。
「はい」
「あっ、あの准一さん!夕食…どうする…?」
ドア越しで返事をされ私はたどたどしくも用件を伝える。
敬語を使いそうになってしまうがぐっとですます表現を飲み込んだ。
すると、閉まっていたドアが開いて准一さんが出て来た。
「…そういえば、もう6時半…。今日はマキの引越し祝いで何か出前を取ろうか」
「引越し祝い…?」
「そ、何食べたい?」
おいで…と腕を引っ張られてリビングへ。
カーテンを閉めてソファーに座ると、准一さんはタンスの中から何枚かのチラシを持って来て私の前に座った。
「マキが食べたいのでいいよ」
ニッコリと綺麗な顔で微笑まれればドッキンと心臓が高鳴る。
ああ……なんでそんな綺麗でカッコイイのよ。
紅くなるのを隠すように両頬を手で覆いながら私はチラシを眺めた。
結局私が選んだのは気分的にお寿司。
准一さんが電話してくれて二人で黙々とあまり話しもせずに食べ終わった。
緊張してあまりたべれなかったのは言うまでもない。