強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
義兄妹の連絡先
───……
「ゔん…ん、眠いぃ…」
ピピピピピとうるさい目覚まし時計に腕を伸ばし、指先の感覚だけでボタンを止める。
布団からのっそりと顔を出してねぼけたままゆっくりと起き上がり手の届く範囲でカーテンを勢いよく開けた。
差し込む光が眩しすぎてまた枕へと顔を埋める。
「…6時…50分」
なーんだ、まだ6時50分……じゃないっ!
ガバッと布団を剥いでクロゼットの中にしまいこんだ制服に手を伸ばした。
マズイマズイッ!
引っ越してきたら元家から出る時間帯とこの家から出る時間帯が全然違うんだ!
とにかく急がなくては、と私は慌てて制服へと身を包んだ。
部屋から出て駆け足で洗面所へ。
ブラシでちゃっちゃと髪の毛を整える。
こういう時短い髪の毛で助かったと思えた。
バタバタと盛大に部屋中を駆けて玄関に鞄を置いてそのままリビングへ直行。
「あ…」
「おはよう」
ドアを開けたと同時に目の前にはマグカップ片手にまだ着崩した格好の准一さん。
ニッコリと微笑んで「これから起こしに行こうと思ったんだ」なんて言われたら私は顔を紅くせずにいれない。
准一さんに寝起きの顔を見られたら堪ったもんじゃない!