強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「…っ!」
ドストライク。
朝からバクバクと心臓が高鳴り体温急上昇。
本当にカッコイイ、朝からありがとうございます。
あまり会話をしなかったものでうやむやになっていた家での約束事をいくつか決めた。
料理は絶対無理だ、ということで准一さんが担当。
そして私はほぼ掃除と洗濯と洗い物。
自分の家になったんだから好きなようにして良い、と言われたけどまだそんな感じじゃなくて、つい畏まってしまう。
黙々と食べて完食した頃、准一さんが口を開いた。
「学園の登校なんだけど。マキいつもどうしてた?」
「えっと…友達と待ち合わせして…そのまま電車乗ってすぐ」
便利なことに、学園から徒歩2分圏内の所に電車が着くようになっている。
だからゆきのと一緒に登下校をしていた。
「そっか。でも残念なことにここら一体そういった公共の交通機関が少ない。だからマキさえ良いなら毎朝俺と一緒に車で行かないか?」
「へっ…?」
突然の申し出に目を丸くした。
最後に取って置いたウィンナーを刺したフォークがぽろっと手から落ちる。
「別にマキが嫌ならいいんだ。ただこの家から学園まではちょっと距離があるって話で…」