強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
私は残しておいた最後の一個の玉子焼きを口に放り込んで色々と頭を悩ませていた───…
放課後。
学校が終了する鐘が鳴り廊下は生徒たちで賑わっている。
そんな中、モップで教室を掃除をしながら私は何か大事なことを忘れてるんじゃないか…と悩んでいた。
「…マキどうしたの。なんか凄い顔してるけど…」
同じくモップを持ったゆきのが私の顔を覗き込み口元を引き攣らせる。
「え…?ああ、ごめん。色々と考え事してた…」
なんともないよ、と笑って見せればゆきのはそーう?と首を傾げた。
「ゆきのちゃん、マキちゃん!ばーいばーい!」
「ばいばーい!!」
「あ…ばいばい!」
廊下からひょこりと教室に顔を覗かせてキラキラしたスマイルで手を振る西野君。
すっかり仲良くなって私達はお互いに手を振り合ったりするまでの仲になれた。
ゆきのは完璧瞳をハートにして「超カッコイイ…康史君」と惚れ惚れした表情を浮かべている。
もはや恋をし始めたゆきのに私は溜め息を吐いてしまった。
……いいなぁ。
堂々と恋愛を出来る相手で。