強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「ご、ごめん…。ちょっと電話していい?」
「うん?もちろん」
階段を降り、一端玄関を離れ近くのロビーへと向かい急いで携帯からある人への連絡を急ぐ。
鞄をガサゴソと漁り財布の中から取り出した正方形の紙。
朝、准一さんからもらった連絡先。
今大丈夫かな…?お仕事中かな?
と思い、とりあえずラインを送信してみた。
「電話じゃなくてライン?」
「ゆき…先帰っててもいいよ?」
ゆきのはちらっと携帯のディスプレイを確認すると、ヤバイッという顔つきに時間的にマズイんだなと悟る。
「ごめん、先帰る!」
「うん、また明日」
バイバイ、と手を振って私はゆきのと別れた。
ラインの返事が返って来るまでの間はロビーから見える校庭をずっと眺めていた。
野球部とサッカー部が部活動しているのが見える。
すると、ブルブルと携帯が震えて驚いて手から滑り落としてしまった。
慌てて拾い上げてディスプレイを確認すると表示された番号に顔が綻ぶ。
「准一さんから電話っ!」
急いでボタンを押して震えが止まらない携帯をぎゅっと握った。