強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「は、はい!もしもしっ!」
『もしもし、マキ?』
―…ドキッ
耳元で聴こえる准一さんの声にきゅんっとする。
「ライン…読んでくれた?」
『ああ、悪かったね。朝ちゃんと言わなかったから』
申し訳なさそうな声が聞こえてきて全然大丈夫!とどもりながらも返事をする。
私の送ったライン内容は、帰りのことだ。
朝は一緒に行くことになったけど、さすがに帰りは会えないだろう。
忙しそうだし仕事の邪魔をするのも嫌だし、私を乗せて帰るなんて厳しいと思った。
だからマンションから一番近い最寄の駅を聞こうとしたのだ。
『ごめん!帰りのことちゃんと話してなかったな…。今日は悪いが電車乗って帰って欲しい』
「大丈夫です!ちゃんと帰れますよ」
最寄の駅と帰り道を聞きながらマップを目で追っていく。
心配性なのか、准一さんは一人で本当に大丈夫?とかお金ちゃんと持ってる?なんて聞いてくるもんだから思わず笑ってしまった。
お母さんよりも親みたいなことを言う。
それでも心配してくれてるのが嬉しかったから全然平気!と元気良く答えた。