強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「准一さん、今日は何時ごろ帰って来るの?」
『今日はー……多分8時頃かな。夜一緒に食べれないから冷蔵庫にあるの適当に出してレンジで温めて食べて構わないから』
「え?!」
朝は忙しくて時間なんてないはずなのに、私のためにそ…そこまでしてくれてるの?!
驚きのあまり再び携帯が滑り落ちそうになった。
なんだか申し訳ない気持ちになった私はママから譲ってもらった料理の本を早速広げてみようと思った。
「准一さん、私頑張るから!」
「ぶっ…くく。何をだよ。マキはそのままで居てくれていいよ」
なんでそうやって簡単に私を甘やかしてしまうのだ。
それを良いことに甘えてしまいそうになる。
電話越しに頬をほんのりと紅く染める私。
それからちょっとだけ話をして私は電話を切った。
准一さんと話してホクホクと胸が熱くなったところで帰り支度を始める。
良し…頑張って帰ろう!
一人意気込んで私はまだ肌寒い外へと駆け出し、学園を出たのだった。