強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

「理事長…だったんだ」


ゆきのも驚いているようで「へぇ~」なんて相槌を打っていた。

思わず見とれてしまうほどカッコイイ容貌。

最早、理事長の話なんて全く耳に入ってこなくてただただ見つめていた。

なんだろう…とてもドキドキする。

顔が熱くなるのを感じた。


年の見た目は…20代前半というところ。

理事長にしてはあまりにも若すぎる。


「若くない?あの人…」


今度は私からゆきのにこそっと耳打ちをする。


「思った。あれで学園理事でしょ…?なんか勿体無いなぁ」


雑誌に出てそうな顔なのに、とゆきのは理事長の顔を評価していた。

次々と祝いの言葉を並べていく理事長の話も終わり、ホールには大きな拍手でいっぱいになった。

私は拍手するのも忘れ…ステージから下りていく理事長をずっと目で追ってしまう。



「……キ、マキ!!」

「うわっ!ん?!どうしたの…?」


顔近くでブンブンと手を振っていたゆきのに驚き我に返る。


ボーッとしてしまっていたようだ。


「どうしたもないよー。ほら、入学式終わりだから教室行こう?」

「え?あ…うん」


しまった…見とれすぎてた。

我ながら恥ずかしい。
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