強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
涙でぼやけた視界から見えた表情は、少し困惑しているようだった。
「ならさ───……マキがちゃんと理解出来るように。わかるように言ってあげようか?」
「………へっ?」
いきなり意味深なことを言い出すものだからマヌケな声が出た。
すると…………
准一さんは私の体を軽々と持ち上げて自分の膝の上に乗せたのだ。
向かい合わせのようにして抱っこされた私。
かなりの至近距離で綺麗に笑うものだからビックリして止まる涙。
優しいの?それとも意地悪なだけ?
どっちが本当の准一さん?
なんて困惑の表情を浮かべてオロオロする私なんて御構い無し。
ぼやけてた視界が一気に鮮明なものと変わり顔が蒸気で熱が集まるのを感じた。
そして…
「……禁断ってやつに、手出してみる…?」
真正面でそんなことを言い放つのだ。
終いにはよろしくと耳元で囁く。
この時、私は准一さんが何を言いたいのか理解出来なかった。
知ることになるのはもうちょっと先のこと………