強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
離された唇をペロッと舐めて准一さんは
「鉄の味がしたね。うん、消毒完了」
と自己満足したようだった。
「ほら、いつまでも座ってないで行くよ?それとももう一度したいーとか?」
ぐいっと引かれる腕に硬直していた体が戻った。
「めめめ滅相もございません!さ、早く行きましょう!!!」
顔全体を真っ赤に染め足早に部屋を出る。
学バを抱えて熱を治まらせようと先に廊下を走り抜けた。
「クスッ…やっぱり俺の間違いじゃなかった」
後ろで准一さんがそんな言葉を漏らして微笑んでいたなんて知らずに。
「マキ、今日の夜は何食べたい?」
「ぇえ?!…えっ…な、なんでも」
未だ治まらない熱にバッグで顔を隠す私。
時たま准一さんがクスクスと笑う声が聞こる。
「なんでも?じゃぁ今日はハンバーグにでもしようか」
「はい……そうして下さい」
毎日こんな会話が続くのかなぁ…なんて考えながらボーッとしていたらいつの間にか学園の正門近く。
「マキ、ここで降りて。俺はいつものとこだから」
「あ、うん!…ありがと」
「どういたしまして?」