強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
ニッコリと優しく微笑まれ数回頭を撫でられた。
恥ずかしくなって慌ててシートベルトを外して車を降りた。
なんだか流されっぱなしだなぁ…私。
バイバイと、お互いに手を振り私は歩き出し、准一さんは職員専用の裏門へ。
角を曲がれば学園の生徒達が沢山登校していた。
バレて…ないよね?
挙動不審に周りを見渡しながらも、なんともなかったように平然を装いながら小走りに正門をくぐり抜けた。
「よっ!おはよー真田!」
「きっきゃぁ!」
靴を履き替えていると、トンッと肩に置かれた手。
同時に後ろから顔を覗き込まれ爽やかに微笑む彼の姿。
「に、西野君…おはよう」
「ごめんごめん。驚かせちゃったな。丁度マキちゃんの姿が見えたから…」
悪い、とごめんのポーズをする西野君に私も慌てて謝った。
「あれ?ゆきのちゃんは一緒じゃないの」
「ゆき?うん、私ね事情があって車通学になったから一緒じゃないんだ」
そう言えば、何処か納得したような素振りを見せ、一瞬悲しそうな顔をされた。
……ん?
「西野君…ゆきが気になる?」