強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

無意識ににそんなことを聞いていた。

馬鹿で鈍感な私でもなんとなーくそのそぶりの意味を理解した気がした。


「えっ!嫌、そーいうわけじゃ…ねぇから。さっ早く教室行こうぜ?」


本人は気付いてないかもしれないけど、耳まで真っ赤だ。


これは…もしやっ!と私は一人嬉しくなって頬が緩む緩む緩みが止まらない。

そして先を歩いていく西野君を追いかけたのだった。



「マキ…と康史君…?」


玄関付近でゆきのが


「マキと…あいつは誰だ……?」


別の職員専用入口では准一さんが

私達を見ていたとはまったく知らず。




「おっはよー!マキ!」

「ゆき、おはよう!なんだかテンション高いね」


教室で自分の席に座っていたら後ろからダイブしてきたゆきの。

いつものようにスキンシップが激しいゆきのにはもう慣れっこだ。


「ゆきのちゃんおはよーっ!」

「あっ…。こ、康史君おはよ!」


おっ…おお……?

ちらっと上にのしかかったゆきのの表情を見ると、とても幸せそうな笑顔を西野くんに向けていた。
< 82 / 321 >

この作品をシェア

pagetop