強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

独り言のようにブツブツと呟きながら気づいたら自分の世界。

前も見ず余所見をして廊下を歩いていた。


ドンッ


「うひゃっ」

「おわっ!」


いつものマヌケっぷりを今日も発揮。

完全に私のせい。

ちゃんと前を向いて歩いてなかったために…


「ご、ごめんなさい!お怪我はありませんか?!」


慌てて相手の怪我の確認に急ぐ私。

ぶつかった鼻がジンジンと痛み出す。


すると…


「あっれー?キミはもしかしてA組の可愛い子っだ!」


いきなり目の前にビシッと指を差された。


………へっ?

顔を上げて相手を見ると、何処かで見たことあるような気がしないまでもないような男の子。



「A組…には変わりないですけど、可愛いは…ナイですね」


可愛いっていうのはゆきみたいな子のこと言うんだよ。


「いやっ!キミもだよ。えっと…俺のことわかる?」

「………ごめんなさい。どちら様ですか?」


なんて失礼な私……。

顔は見たことあるんだけどけっこうあやふや。



「俺もねぇA組なんだよね。霧島 凪(ナギ)ってゆーの。よろしくね?」


霧島…凪くん、か。

あれ……?
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