強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
私の後ろの凪くんの姿を見るなり、一瞬口元を引き攣らせたゆきの。
「いつの間に凪とマキが仲良くなってるのよー!どう思う、康史君?!」
ゆきのの机に座っていた西野くんに話が振られ、いきなりのことに「俺?」と苦笑した西野くん。
「うーん…いや、いずれ俺もマキちゃんには凪のこと紹介するつもりだったからいいんじゃない?」
「でもー…凪とマキって」
「だから、なんで俺とマキが一緒に居ちゃわりーんだよ」
なぁ?と同意を求めるかのように私の肩に腕を回してきた凪くん。
……へっ?!密着状態!
カチンコチンに固まった私はロボットみたいに首をゆっくり縦に振ってみせる。
「わ、私は…っ大丈夫………ひぃー」
「ちょっと凪!マキに抱きつかないで!」
ぐいっと腕を引かれてゆきのの腕の中に納まった私。
た、助かった…こういう軽いノリに免疫がないからビックリしてしまう。
「ケチくせぇ~。まっいつでも機会あるからいいけどー」
ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた凪くんは、ね?と私に向かって微笑む。
「ダメダメ!凪にはあげないんだから!」
「おいおい…二人とも目立つ…」
宥めに入る西野くんは一人大人びていると思った。