強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
靴を脱ぎ、廊下を歩き出すと准一さんが短く溜め息を漏らす。
「ご飯つくらないとな」
「准一さん、適当で全然いいから!」
お疲れのところ、ご飯支度をさせるなんて出来ない。
元はといえば私が遊びに行ってたせいでご飯を炊くことすら出来なかったんだから。
「…でも」
「いいのっ!それとも私が作ろうか?」
「…それは遠慮しておく」
げっ、と言って苦笑いをしてみせた。
ママめ…私が全然料理出来ないこと言ったな?
「学生は学生らしく勉強でもしてこい」
「…はーい」
ご飯できたら呼ぶから、と数回頭を撫でられて火照った頬がバレないように慌ただしく自分の部屋へと向かうのだった。
「美味しそう……」
「残り物で悪いけど。ほら、席着いて」
テーブルに乗った料理がキラキラと輝いて見えるのは目の錯覚だろうか。
こんなに美味しそうな物を作れる准一さんは天才だ。
いただきますっと手を合わせて料理に手を付けた。
「んふふっ…美味しい」
「そりゃ良かった」
私が頬を押さえながらそう言えば、クスッと笑う。
そんな表情にでさえドキッとしてしまう。