◇夢幻~ゆめ~◇


私の家がもうすぐってところの
角を曲がろうとすると。


キキッー?!


『危ない!』


誰かが私を助けてくれた。


思わず目をつぶった私が
恐る恐る目をあけると、
啓がいた。


『どうして?』


『お前がこいつと
 帰っているのをみつけて
 ついてきてたら。
 こんなことだぜ。』


『ありがとう。』


『どういたしまして。
 俺さぁ、知ってるかもしれないけど。
 桜坂Aクラスに転校してきたんだぜ。』


『えっ? そうなの?』


『数馬! こいつと帰るんだったら、
 助けることぐらいできねぇのかよ?』


『啓…お前。もしかして。』


『そのとおり。
 桜丘Aクラスを代表する
 優等生男子が桜坂Aクラスに来たからには、
 こいつを泣かしたら許さねぇ。』


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