◇夢幻~ゆめ~◇
『離れろって。』
ドアが開いた。
『あ…。』
『え?』
しばらくの沈黙。
『あの~。
私、お邪魔ですよね。
帰りますのでごゆっくり。』
『みるく!
違うんだ…。これは。』
帰ろうとした私を追いかけようとした
数馬だったけど、夢幻様が遮った。
『そうよ。私たち付き合っているの。
邪魔しないでくださいます?』
『…。』
私は、荷物を持ったまま走り出した。
遠くで数馬の叫び声が聞こえたような気がした。