◇夢幻~ゆめ~◇


『せっかく、水着を着てるんだからさ、
 入らなくちゃもったいじゃん。』


『俺ら、深いほうに行ってくるから、
 お前らは浅いほうにいろよな。』


『分かった。』


とは、言ったものの…。


『真希。恵たち遅いと思わない?』


『そうだね。』


私たちは、
砂に絵を描いて遊んでいる。


ザザザッー。


『?』


突然、大きな波が押し寄せてきた。


ゴボゴボって
口の中に水が入ってきて、
息が出来ない。


(私、溺れちゃうのかな?)


『みるく!』


遠くで、真希が叫んでいる声が聞こえた…。


『みるく。みるく。しっかりしろ。』


私は、目を覚ました。


砂浜の上で寝ている。


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