◇夢幻~ゆめ~◇
『ん?』
『よかった。
やっと目を覚ましたぜ。』
『え?』
『あのね。大きな波が来たときに
足をとられて、
沖に流されたみたいで、
恵と啓が陸まで泳いで助けたのよ。』
『そうなの? ごめんね。』
『本当に驚いたぜ。
こう言っている真希も沖まで流されて。
浮いていることで
精一杯みたいだったけど、
俺が助けた。』
『私は孝に助けてもらったの。
みるくは、体が事故から弱ってるから、
無理しないほうがいいんだけれど。
でも、助かってよかった。
人工呼吸をしたのは恵。
感動的だった。
まぁ、啓はかわいそうだったけどね。』
『啓は?』
『氷をもらいに行ってる。
噂をすれば…。ほら来た。』
『みるく。
無事だったんだ。よかったな。』
『みんなありがとうね。』
『はい、氷。』
『啓もありがとう。』
『どういたしまして。
今日は、家に帰ってゆっくり休めよ。』
『今日は、俺ら兄弟が送ってやるよ。』
『ありがとう。
また、迷惑かけちゃったね。』
『迷惑じゃないよ。ぜんぜん。』
『そうだぜ。だって、俺…。』
『あっ、そういやさぁ、
数馬にかったぜ。』