◇夢幻~ゆめ~◇
海からの帰り、
真希は孝の家に泊まるから
って孝の家に行った。
孝の家は町外れにあるから
私たちの家より遠いんだ。
だから、恵と啓に
家まで送ってもらうことになった。
『みるく、俺さぁ。
恵と間違われたとき、
初めて会ったふりしてたじゃん?』
と啓が話しだした。
『そうだね。』
『本当は俺、久しぶりにみるく
に会えて本当に嬉しかったんだ。
小さかった頃から俺は、
兄貴に何でも先をこされてさ、
でも、みるくを大切に想う気持ちだけは
誰にも負けねえって思ってた。
もちろん、兄貴にもな。
学校を間違えたのは、
悪かったって思ってる。
兄貴にみるくのことは聞いてたから。
みるくに彼氏がいるって聞いたときは、
俺すげえショックだった。』
(そんなこと思ってくれてたんだ・・・。)
『今でも本気でみるくを
大切にしたいと思ってる。
学校を転校してきたのも、
みるくを守りたかったからなんだ。』