◇夢幻~ゆめ~◇
家に帰った私は、一人泣いていた。
何で泣いたのかは
私にも分からないけれど…。
啓に告白された私は、
正直どうしたらいいのか分からない。
将義への気持ちも心から消えかけていた。
(ララララッ。ララララッ~)
「もりのくまさん」の着信音が流れている。
誰だろう?
(恵からだ。)
『もしもし?』
『夜遅くにゴメンなぁ。
もしかして寝てた?』
『ううん。大丈夫だよ。』
時計を見ると、
11時をまわっていた。
『あのさぁ、
今、時間大丈夫?』
『うん。』
『俺。今みるくの家の前いるんだけど
出てこれる?』
『え?』
『外、みてみい。』
カーテンを開けて外を見ると、
恵が手を振っていた。
『私、パジャマなんだけど。』
『大丈夫だって。
待ってるからな。』
家族が寝てるので、
慎重に階段を下りて
玄関のドアをゆっくりとあける。
外は、思っていたよりも寒かった。
『みるく。
ごめんなこんな遅くに呼び出したりして。』
『いいよ。別に…。』
『寒いだろ? これ着れよ。』
恵が上着をかしてくれた。
『ありがとう。』
『公園、よってくんないかな?』