◇夢幻~ゆめ~◇
夜の公園はもちろん、
道にも誰もいない。
公園のベンチに腰を下ろす。
『どうしたの?』
と私が聞くと。
しばらくの沈黙の後に恵が言った。
『俺も…みるくのことが好きなんだ。
啓にあんなこといわれたら、
黙ってるわけにもいかねぇだろ?
俺は、啓と違って
あんましゃべるほうでもねぇし、
積極的でもないだから啓が羨ましかった。
だけど、俺にもみるくを
泣かせないだけの自信はあるんだ。
啓みたいにカッコいいことは
言えないかもしんないけど…な。』
『そんなことないよ。』
『サンキュウ。
俺、何いってんだろ?
みるくも戸惑ってるのにな。』
『…。』
『言いたいことは、そんだけ。』
『…。』
『みるく?』
『ん?』
『大丈夫か?』
『うん。ありがとう。』
『じゃぁ、帰るから。
まだ一緒にいたいけど
みるくが風邪引くと困るからな。』
『だね。』
家に帰ってから私は、ベットでいつの間にか眠っていた。