◇夢幻~ゆめ~◇


啓と約束していた祝日になった。


”恵と啓、まだかな?”


待ち合わせの時間よりも
早くついてしまい
ずっと、時間を気にしていた。


『ごめん。お待たせ。』


すごい勢いで走ってきたのは、
啓だけ…。


『そんなに、待ってないよ。』


『そっか。じゃぁ、行こうか!』


『あの~恵は?』


『え? あぁ、
 恵は急な用事ができたらしくて、
 これなくなった。』


『へぇ…?そうなんだ。』


『なんでそんな暗い顔すんだよ。
 ほら、行くぞ!』


そういって、私の手を取って歩き出した。


『啓、歩くの早いよ。』


『ごめん。』


『謝らなくてもいいよ。』



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