◇夢幻~ゆめ~◇


『お~い。みるく?』


映画館に行った翌日。


啓くんに抱きしめられたことを
思い出してボーっとしていて
恵に話しかけられていることに
気がつかなかった。


『ごめん。恵、どうしたの?』


『あのさ、こないだ話した
 花火大会のことなんだけど
 …どうなった??』


『一緒に行けるよ♪
 浴衣着て行こうと思ってるんだけど。』


『ホントに? よかった。
 じゃぁ、俺は甚平着てくよ。
 明日が楽しみだな。』


『うん。そうだね。』

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