独占したい、甘々に。【完】
悠乃は「ふーん」と素っ気なく呟く。





「まさか悠乃が来るなんて思ってなかったし…」


「…幸村が行きたいって言うから。それに、紗雪の料理も食べられるかと思って行ったんだよ」





そ、そうだったんだ…


私は返す言葉が見つからなかった。





「…まじで可愛すぎて、心臓止まるかと思った」





「へ?いま、なんて」





悠乃の言葉は余りに小さく私の耳に届かなかった。





「うるさい。俺に嘘つくなんて、いつから紗雪は悪い子になったんだよ」





そう言って悠乃は私の頬をムニッと掴んできた。





「い、いひゃいよ悠乃~放して~」





悠乃はフッと小さく笑い声をあげると、ゆっくりと手を離した。
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