独占したい、甘々に。【完】
興奮するちーちゃんを宥めていると…





「あっ紗雪ちゃん!」





突然名前を呼ばれ、声のする方へと振り返った。





「…えっ那津、くん?」





少し暗めの茶色の短髪に、優しい目元。


健康的な肌色に、爽やかさを感じるあの笑顔。





…間違いない。


彼の名前は、杉浦那津(Sugiura Natsu)、私の中学の同級生だ。





未だ信じられないといった様子で、彼の元へ駆け寄っていた。





「那津くんもここの高校だったの?」


「そう!紗雪ちゃんがいるなんて全然知らなかった!」





那津くんとは中学3年生の時、同じクラスになり仲良くしていた。





まさか同じ高校だったなんて…


1年生の時は全く気がつかなかったよ。





「文化祭でたまたま紗雪ちゃんのこと見てさ、もう俺めっちゃびっくりしたよ」
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