独占したい、甘々に。【完】
「星香は俺が引っ越した小学校からの付き合いで、小中高一緒だったんだよ。一番最初に友達になったのも星香だし」





「そうなんだっ。鶴見さんいい人そうだもんね」





私はただ相槌を打つことしか出来なかった。





他に聞きたいことはいっぱいあるはずなのに、何故か口に出すのが怖くて、それ以上は何も聞けなかった。





ただそれを悟られないよう必死に、笑顔の仮面を張り付けることしか出来なかった。





「それで今日の放課後、星香が前の学校の人たちを呼んでくれてるらしいから、一緒に帰れないんだ。ごめん」


「そんな謝らなくていいよっ。せっかくの機会だし楽しんできなよ」





私は悠乃に気を使わせないよう明るい声で話す。





「紗雪?」





「あっ、そういえば朝当番だった!ごめん、先に行くね」





そう言って私は逃げるようにこの場を立ち去ってしまった。
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