独占したい、甘々に。【完】

「もっと自分の気持ちに素直になるといいよ」





そう言って決め顔と言わんばかりのウィンクをしたのだった。





「…素直？」





「ほらっ、早く帰るよさゆ！」





ちーちゃんはそれ以上は何も言わなかった。





素直…素直って、どういうことだろう？


私がもっと素直になればいいってこと…？





そしてちーちゃんは、ハテナマークを浮かべる私を引っ張るようにして教室を後にした。





それからというもの、ちーちゃんの言った言葉の意味など理解することが出来ず、むしろマイナスな方向へと物事は進みだしていた。





素直になるどころか、悠乃に冷たい態度を取ってしまうようになり、自分でも制御不能状態に陥っていた。





そしてそのせいで、私と悠乃の関係はぎくしゃくとしていた。





いつも通り普通に接したいのに、そうすることは出来なくて。


素っ気ない態度を取ってしまい、自然と悠乃から距離を置くようになっていたのだ。