独占したい、甘々に。【完】
「それより、こっち戻ってくるなら一言声かけてくれてもいいのに」


「紗雪の両親にはこっちに戻ってくること伝えてあったはずだけど」


「ええっ!?そんな話、私聞いてないよ」





両親のことだからきっと、私に伝え忘れてたんだ…


もうっこんな大切なことなのに…!





「家も紗雪んちからそんなに遠くないし、今度みんなで遊びに来なよ。俺の両親も紗雪に会いたがってたし」





「えっ行く行く!私も会いたい!」





悠乃の両親か~懐かしいなぁ。


小さい頃よくお世話になったし。





そして、悠乃は何か思い出したかのように声をあげた。





「あっやべ!校長先生との約束の時間過ぎてる…ごめん紗雪!俺、話があるんだった!」


「そうなのっ!?それじゃ、急がないと!」


「ごめん紗雪、また!」





悠乃はそう言うと、駆け足で教室を出てった。





その姿を見送っていると、何か忘れ物をしたのかドアのところに姿を見せた。





「悠乃?どうかした?」
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