独占したい、甘々に。【完】
そんな那津くんの態度に瞬きを繰り返す。





私、なにか変なことでも言った…?





「日向くんもそうだけど、紗雪ちゃんも鈍いんだね」





「へ?」





やれやれといった表情を浮かべていたが、その口元は優しく笑っていた。





「俺みたいに一歩踏み出してみなよ。自分に自信をもってさ」


「で、でも」





未だ決意の固まらない私に見兼ねたのか、頬を両手で掴まれ、そして真っ直ぐな目を向けられた。





「な、那津くん?」





徐々に近づくその距離に、嫌でも頬に熱を持ち始める。





そして、





「そんなにウジウジしてると、僕が紗雪ちゃんのこと奪っちゃうよ」





「へ」
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