独占したい、甘々に。【完】
星香は真剣な面持ちで話を聞いてくれた。





昔から星香は俺が困ってたり、何か悩んでいたりすると、こうやって話を聞いてくれた。


…それが俺にとってどれだけ助けられたことか。





星香に紗雪のことだって沢山話した。





離れ離れになってしまい、ずっと会いたいと思っている気持ちや、紗雪と過ごした楽しかった思い出を。





俺が紗雪のことどう思っているか、星香に話したことはないけど、きっと勘の鋭い星香のことだから気づいてるだろうな。





俺の転校が決まったとき、星香が俺にバレないように泣いていたことを知ってる。





星香は、優しくて意地っ張りで本当は泣き虫で、人より少し不器用な女の子なんだ。





そんな星香だから、転校して紗雪と離れて傷心していた俺を元気に出来たんだと思う。





星香と友達になれて本当によかった。


たまにはちゃんと感謝の言葉も言わないとな。





「…ということがあって」





星香に先ほどのことを話し終え苦笑いを浮かべた。
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