独占したい、甘々に。【完】
「えっ、なに?」





歓声がした方へ目を向けると、女の子の集団が誰かを囲んでいるようだった。





あれっ…あそこって2組の教室だよね?





不思議に思いながら、私たちは集団の近くへ寄ってみる。





「日向くん、似合ってる!」


「悠乃くんすごい!本物みたい!」





えっ、悠乃…?





女の子たちの口からは悠乃の名前が発せられていた。





「ねえ、みてみてさゆ!あそこ!」





ちーちゃんの指さす先に居たのは、執事の衣装を身に纏った悠乃だった。





真っ黒の燕尾服を見事に着こなし、女の子たちの視線を釘付けにしていた。
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