*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
玄関で挨拶をした後、雨宮家を出た私は、こうしてアンジュと来た道を家へと向かって歩いている。
千紗子さんのマンションから家までは三十分足らず。アンジュの散歩にはちょうど良い距離だ。
(修平さん、早く帰ってこないかな……)
今日あった出来事を早く彼に教えたい。
彼はいつもニコニコと楽しそうに私の話を聞いてくれるし、きっと私と一緒になって、千紗子さん達の幸福を喜んでくれるだろう。
今すぐにでもこの喜びを修平さんと分かち合いたい。
私の気持ちにいつも共感してくれる優しい修平さん。
そんな彼のことがとても好きなのだ。
(早く仲直りして、前みたいに沢山話して沢山笑い合いたい。)
たっぷりと水を湛えた川面は、初夏の陽射しを受け、プリズムみたいに輝いていた。