*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!

 私の承諾にテンションの上がった声で『良かった~!!』と喜んだ遥香さんは、なぜかハッと息を呑んで声を落とした。
 そして会話を聞かれたくない誰かが近くにいるみたいな感じで、コソコソと小さな声が耳に当てた携帯から聞こえてくる。

 『でもちょっと杏ちゃんにお願いがあって…』

 「なんですか?」

 『修平くんにはこのこと黙っててもらえないかな?』

 「えっ!?」

 突然そんなことを言われて驚く。

 『当日修平くんをびっくりさせたくて。ダメ…かしら?』

 修平さんからはレセプションパーティのことは聞いていない。
 私はそもそも部外者で、そんなパーティに行くことなんて想像もしたことはなかったけれど、遥香さんが『誰が来てもいい』と言っているパーティに、修平さんから誘われなかったのは正直ちょっとショックだった。

 (修平さんに誘われてたら、もっと嬉しかったかも…)

 不貞腐れるみたいな気持ちもあって、私は遥香さんの提案に「分かりました」と答えた。





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