*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
 その刺激に、背中にピリッと電流が走った。

 上半身が心許なくて恥ずかしい。
 布団を引き寄せようと、修平さんに捕まれているのとは反対側の手を伸ばそうと動かす。その手が布団に届く寸前、耳が熱いものに包まれた。

 「やっ!」

 咄嗟に布団へ伸ばしていた手を耳に戻そうとしたけれど、その手も敢え無く捕まってしまう。
 捕えられた両腕が、シーツの上に張り付けられる。
 イヤイヤをするように、顔を左右に振って何とか逃れようとするけれど、彼の口は執拗に追いかけてきて、私の耳を放さない。
 
 彼の舌先が私の耳の内側をねっとりと撫でた瞬間、腰の砕けるような強い感覚に、体全体が大きく跳ねた。

 「やっ、!しゅ、修平さんっ!!」

 怒るように叫ぶと、耳から唇が離れた。

 「『さん』要らない。」

 「えっ!?」

 「『修平』」

 「………」

 彼の意図を理解して口ごもる。
 もごもごと口を動かすと、修平さんが首を傾げて私を見つめる。

 「聞こえないよ、杏奈。」

 いじわるそうな笑みを浮かべた彼は、私の耳たぶをペロリと舐めた。

 「ひゃっ!」

 甘いしびれに両肩を竦ませる。
 両手を取られて逃げ出すことも出来ない。
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